平成20年1月 総領事新年挨拶

 

平成20年1月1日

冨野民雄

在ハガッニャ日本国総領事

 

明けましておめでとうございます。

グアムの地で、それぞれご活躍の皆様と新年を迎えられますことをうれしく思います。

当地に着任し既に9ヶ月が経ちますが、昨年は大きな被害を伴う台風や津波もなく、穏やかに過ごせましたことに感謝いたしたいと思います。同時に備えあれば憂いないしの気持ちも忘れずに居たいと思います。

皆様の安全については、在留邦人や邦人旅行者が被害者となる深刻な交通事故、マリーンスポーツにおける事故の他、幾つかの刑事事件も発生しております。特にこれからの数年、沖縄の海兵隊のグアムへの移転に伴う経済活動の飛躍により、交通量の増大等何かとせわしくなる世相が予想されますところ、どうか皆様におかれては身辺くれぐれもご注意のほどお願いします。

 

グアムの経済の柱であります観光産業について、近年、邦人観光客を初めとする観光客数の停滞が懸念されております。中国、東南アジア等の新しい観光地が脚光を浴びていること、あるいは円安等の影響も考えられますが、観光業関係者の打開を図るご努力に係わらず、なかなか復活の兆しが見えません。しかしながら、雄大な海洋環境と地の利を得たグアムには、関係者の意欲がある限り、近い将来必ず往事の勢いを取り戻すときが来ると信じております。

 

海兵隊の移転について、昨年8月末に当地でもグアム・インダストリー・フォーラムが開催され、皆様も基地の拡充の概要を理解されたことと思います。これからも日米専門家による具体的分野の交渉が継続されますが、双方の努力が事業を成功裏に導くものと信じております。また、最近、グアムにおいても住民説明会が催されたり、グアム政府も連邦政府との更なる交渉が行われていると報道されるようになりました。基地の拡充事業がグアムの全島民に末永く裨益する形となることを切に望むものです。

 

9月、安倍首相の突然の辞任には皆様も驚かれたことと推察します。福田首相は衆参ねじれ国会を抱え困難な国政の運営を強いられており、解散が必至であるやに伝えられ、国内政局は多端の様相を呈しております。このような状況下でありますが、福田首相は11月に訪米し、ブッシュ大統領と日米同盟がアジア・太平洋地域の治安と繁栄の基礎であるとの認識で一致し、我が国と米国の友好関係の更なる強化を確認いたしました。

 

2008年はこのような経緯を経て始まります。どうか、新年が皆様にとって幸多き年でありますようにお祈りいたします。


 

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