鼻腔式ワクチンについて(和訳)
2009H1N1インフルエンザ・ワクチン(あなたが知っておくべきこと)
弱毒性生ワクチン(鼻腔スプレー型)について
1.2009H1N1インフルエンザとは何か?
新型インフルエンザ「2009H1N1インフルエンザ(豚インフルエンザとも呼ばれます)」は、インフルエンザ・ウィルスの新種から発生して、多くの国に拡大しています。2009H1N1インフルエンザは、他のインフルエンザ・ウィルスと同じように、咳、くしゃみ、時にはウィルスが付着した物に触れることによって人から人へ広まっていきます。
2009H1N1インフルエンザの兆候として、次のような症状があります。
・疲労感 ・発熱 ・喉の痛み ・筋肉痛 ・悪寒 ・咳 ・くしゃみ
人によっては、下痢や吐き気を伴う方もいます。
ほとんどの人は、1週間以内に症状が快方に向かいますが、中には、肺炎や他の深刻な病気を発症する方もいます。入院しなければならなかったり、最悪の場合は、死に至る場合もあります。
2.2009H1N1インフルエンザは普通のインフルエンザと何が違うか?
季節性インフルエンザは、その年々によって異なりますが、ウィルスには親密な関連性があります。過去にインフルエンザに感染したことのある人は、普通、季節性インフルエンザに対する免疫があります(体内にインフルエンザ・ウィルスを撃退する力を作り上げています)。
一方、2009H1N1インフルエンザは新しいインフルエンザ・ウィルスです。季節性インフルエンザ・ウィルスとは大いに異なります。ほとんどの人は、2009H1N1インフルエンザに対する免疫が無いか、あったとしても僅かです。(体内にウィルスを撃退する準備ができていません。)
3.2009H1N1インフルエンザ・ワクチン
ワクチンはH1N1インフルエンザを防ぐために有効です。
- このワクチンは季節性インフルエンザのワクチンと同様に作られています。
- このワクチンは季節性インフルエンザのワクチンのように安全かつ効果的に作られています。
- このワクチンは季節性インフルエンザには効果がありません。もし季節性インフルエンザも予防したいのであれば、季節性インフルエンザのワクチンの接種も受けてください。
弱毒性生ワクチン(LAIV)は鼻の中にスプレーされます。この紙で説明しているのは、弱毒性生ワクチンについてです。不活性化ワクチンもありますが、それは注射式です。それについては別の紙で説明します。
2009H1N1弱毒性生ワクチン(LAIV)は「チメローサル」や他の防腐剤を含んでいません。このワクチンは2歳から49歳の人に接種することが決められています。このワクチンは弱毒性ですので、病気を引き起こしません。
4.どのような人が、いつ2009H1N1インフルエンザ・ワクチンを接種すべきか?
どのような人が・・・
弱毒性生ワクチンの接種は2歳から49歳の方で、妊娠をしておらず、一定の疾患を持っていない方(詳しくは5.をご覧ください)に使用が認められています。
2009H1N1インフルエンザ弱毒性生ワクチンの接種を勧められる方々は、
- 年齢が2歳から24歳までの方
- 年齢が25歳から49歳までの方で、生後6ヶ月未満の乳児と生活を共にしている方、またはその乳児の世話をしている方、あるいは、医療機関に勤めている方
接種できるワクチンの量が増えた場合には、その他の健康な25歳以上49歳までの方々もワクチンの接種をお勧めします。
連邦政府は、このワクチンを(強制ではなく)希望する方にのみ提供します。しかしながら、州法や雇用主によっては、接種を義務づけられることもあります。
いつ・・・
ワクチンの接種が可能になった段階で、できるだけ早く接種してください。
9歳までの児童は約1ヶ月置きに2回接種してください。
それ以上の年齢の児童と成人は1回の接種で結構です。
5.ワクチンを接種してはいけない人や待つべき人
卵やこのワクチンの成分に対して強いアレルギー(生死にかかわるほど)を持っている人は2009弱毒性生インフルエンザ・ワクチン(LAIV)を接種してはいけません。
ワクチンを扱っている人にあなたが強いアレルギーを持っているかどうか告げてください。
2009弱毒性生インフルエンザ・ワクチン(LAIV)は以下のグループの人たちに与えられてはいけません。
- 2歳以下の幼児50歳以上の人
- 妊娠中の人
- 免疫力が弱くなっている人
- 次のような持病がある人
―心臓病、腎臓病、肝臓病、肺病
―糖尿病等の代謝系疾患
―ぜんそく
―貧血等の血液疾患
- ぜんそくや過去一年内に呼吸がゼーゼーしていた5歳以下の子供
- 呼吸や飲み込みに問題が起きる筋肉や神経疾患(脳性小児麻痺等)がある人
- 免疫力が極度に弱まっている人(骨髄移植病棟など感染防止環境内での手当てを要する)と接近(接触)する人
- 長期のアスピリン治療を受けている子供や成人前の人
病気が中程度から重度の人は回復してから接種を受けるように勧められるかもしれません。軽い風邪やそれ例外の病気の人は接種を控える必要はありません。
次のような経験がある人は、あなたの医師に伝えてください。
- 過去にインフルエンザの予防接種を受け、生死にかかわるアレルギー反応があった
- ギラン・バレー症候群(末梢神経が麻痺する病気、GBSと呼ばれる)
以上の項目だけがワクチンを避ける理由にならないかもしれませんが、あなたの医療担当者が(接種したほうが良いかの)判断を手伝ってくれます。
2009H1N1LAIVはほとんどの他のワクチンと同時に接種することができます。過去一ヶ月以内に他のワクチンを受けたか、受ける予定がある人は医師に告げてください。H1N1LAIVと季節用インフルエンザ生ワクチンの同時接種はできません。
6.2009H1N1LAIVに伴う危険性
他の医薬品同様にワクチンは強いアレルギー反応などの深刻な問題を引き起こすことがあります。しかしどんなワクチンでも、深刻な害が起きることや死に至る危険性はとても少ない。
この2009H1N1LAIVの危険性は季節用インフルエンザ生ワクチンと同程度と見られています。
軽い問題症状
2歳から17歳の子供や青年たちに次のような軽い反作用が出たと報告されています。
- 鼻水、鼻づまり、咳
- 発熱
- 頭痛や筋肉の痛み
- ゼーゼーする呼吸
- 腹痛、時折の嘔吐、下痢
18歳から49歳の成人の中には次のような報告があります。
- 鼻水や鼻づまり
- のどの痛み
- 咳、寒気、疲れや倦怠感
- 頭痛
深刻な問題症状
- ワクチンに対する生死にかかわるアレルギー反応は極めて稀です。起きた場合は、通常接種後数分以内か数時間内です。
- 1976年に初期の型の豚インフルエンザ不活性ワクチンはギラン・バレー症候群(GBS)の症例との関連がありました。今のところLAIVはGBSとの関連はありません。
7.深刻な反応があったら?
どんな徴候に気を付けるか?
高熱や、行動の異変など普段と違う状態。深刻なアレルギー反応の徴候には、呼吸が困難になる、声枯れや呼吸がゼーゼーする、発疹、顔色が青白くなる、虚弱感、心拍数が高まるまたはめまいなどが含まれます。
どうしたらいいですか?
- 至急医師に電話をするか、患者を医師のもとへ連れて行く。
- 医師に何が起きたか、起きた日にちと時間、そしていつワクチンを接種したかを告げる。
- 医療従事者に「ワクチン副作用発症報告システム用紙(VAERS)」用いて反応の報告をするように頼むかVAERSのウエブ・サイトwww.vaers.hhs.govまたは電話番号1-800-822-7967にご自身で報告することができます。
VAERSでは医療アドバイスはいたしません。
8.ワクチン禍補償
もしあなたやお子さんにワクチンの反作用が起きたとき、告訴する力は法律によって制限されています。
しかし、このワクチンに対する深刻な反作用が起きた人々の医療や他の特定の費用の支払い援助をする連邦政府のプログラムが設定されました。
このプログラムに関しての詳細は、1-888-275-4772に電話をするか、プログラムのウェブ・サイトwww.hrsa.gov/countermeasurescomp/default.htm.をご覧下さい。
9.もっと詳しく知りたいときは?
- かかりつけの医師に聞いてください。病院でワクチンのパッケージに入っている説明書をもらうか、他の情報を案内してもらえます。
- 最寄の保健所(パブリックヘルス)へ電話をする。
- 国立疾病予防管理センター(CDC)
-電話 1-800-232-4363(1-800-CDC-INFO)
-CDCのウェブサイト www.cdc.gov/hlnlflu または www.cdc.gov/flu
-政府のウェブサイト www.flu.gov をご覧下さい。